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泉美木蘭
2017.1.2 05:42

正月雑感

東京の友人から電話があって、新年のあいさつがてら話しはじめたら、
私の言葉がすっかり伊勢弁なまりに戻っていたようで、「なにそれ?」と
聞き返された。
今年は実家には帰ってきたものの、人ゴミが億劫でお伊勢さんにも行かず、
弟夫婦らとぞろぞろイオンを見物したほかは、家でテレビを見ているばかり。
だいぶ実家臭が出とんのかもしれへん。

しかし、両親もすっかり老後の生活で、日ごろからテレビばかり見ているよう
だから、芸能情報にくわしいのなんの。
とくに母親は、ジャニーズとEXILEと三代目のファンなのかと思っていたら、
画面に映るありとあらゆるタレントや歌手やアスリートのプライベート情報、
副業、ギャラの金額に至るまでを知り尽くしていて、副音声のようにあれこれ
聞かせてくれる。
こっちは夜はほとんど外で働いていて、バラエティ番組や歌番組はまともに
見たことがなく、初見のタレントが多すぎて全然ついていけないのだけど、
母のトークが面白いので退屈せずに楽しく視聴している。

母はあいかわらずキャイキャイよくしゃべるけど、さすがに年をとって、
疲れやすくなったんだろう、たびたび横になっている。
部屋の様子を眺めながら、ああ、目が見えにくくなってきたのかな、とか、
体がしんどくてやれなくなったことが増えたのかな、とか感じることもある。
もう数年たてばサポートが必要になるかもしれない。

父は体は小さくなったけど、白髪をきれいに整えていて、顔につやもあって
元気そうだ。
母が毎日3食バランスのとれた食事を作っているからだろう。
「学者は退職するとボケる」というのが父の大学周辺の定説だったから、
心配していたけど、72歳になってもそんな様子はないみたいだ。
二階の自分の部屋へ、どし、どし、どし、階段を昇っていく重みのある足音も
そのテンポも、私が子供の頃とまったく変わっていない。
Wi-Fiの配線で父の部屋に入ったら、腹筋マシンやら、胸筋マシンやら、
体を鍛えるグッズがいっぱい置いてあった。
父方も母方も90代まで長生きする家系だから、病気なく元気でいてほしい
と思う。


ところで、母親から祖母についてのかなり衝撃的な話を聞いた。
泉家40年目の真実、って感じで、腰を抜かして思わず笑ってしまったけど、
なるほど、そんなおばあちゃんだったのか、だから私がこんな孫なんだなと
妙に納得してしまった。
凄すぎてすぐには書けないけど、時期がくればちゃんとした作品になると
思う。せやけど、まあほんま、泉家の女にはびっくりすんに。
泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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